平成17年度 新潟歯学会 総会

日時 平成17年4月16日(土)  10時より
場所 新潟大学歯学部講堂(2F)

プログラム

総会議事 10:30-10:30
一般口演 10:30-12:20
特別講演 13:15-14:45


座長  上松 弘幸,石橋 宰

1. 10:30
体幹角度の変化がヒト舌筋活動に与える影響
○稲垣大悟 1、 植田耕一郎 2、 山田好秋 3
1 新潟大学大学院医歯学総合研究科 摂食環境制御学講座 摂食・嚥下障害学分野、 2 日本大学歯学部 摂食機能療法学講座、 3新潟大学大学院医歯学総合研究科 摂食環境制御学講座 顎顔面機能学分野

2.10:40
歯内病巣、歯周ポケットから分離された糖非分解性グラム陰性嫌気性球桿菌
○Djais Ariadna 1、中澤 太 2、佐藤ミチ子 1、Sundqvist Goran 2、星野悦郎 1
1 新潟大学医歯学総合研究科 口腔健康科学講座 口腔環境・感染防御学
2 Umea University, Department of Endodontics, Umea, Sweden

3.10:50
新規骨吸収マーカー酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ5b(TRACP 5b)測定系の開発
○大橋建也 1,2,佐藤豊二 3,三浦俊英 1,野村文夫 2,片山勝博 1
1 日東紡バイオケミカル研究所、
2 千葉大学大学院医学研究院分子病態解析学、
3 新潟県立がんセンター新潟病院臨床検査室

座長  星名秀行,芳澤 享子

4.11:00
上唇に生じた唾石症の一例
○島村拓也 1,佐々井敬祐 1,新垣 晋 2
1 伊勢崎市民病院 歯科口腔外科
2 新潟大学大学院医歯学総合研究科組織再建口腔外科学分野

5.11:10
除去にいたったオトガイ部シリコンインプラントの1例
○大久保雅基、横林敏夫、清水 武、五島秀樹、鈴木理絵、櫻井健人、長田美香
長野赤十字病院口腔外科

6.11:20
口腔インプラントの早期失敗について
○武藤祐一、松井 宏、碓井由紀子
新潟労災病院歯科口腔外科

7.11:30
新潟大学医歯学総合病院口腔外科における骨移植・インプラント症例の検討
○庭野将広 1、星名秀行 1、小野和宏 1、飯田明彦 1、高木律男 1
加納浩之 2、小島 拓 2、小林正治 2、高田佳之 2、齊藤 力 2
新潟大学医歯学総合病院口腔外科 1 顎顔面外科診療室、2 口腔再建外科診療室

座長 武藤祐一,高田佳之

8.11:40
当科における下顎枝垂直骨切り術施行例の臨床的検討
◯碓井由紀子、武藤祐一、松井 宏
新潟労災病院歯科口腔外科

9.11:50
介護者に口腔ケア意識を啓発するためのパンフレット
−介護者の理解と活用状況のアンケート調査−
○右近さゆり 1、村山昌子 1、佐藤真里 1、石井結里 1、小林富佐子 1、柴田佐都子 2、豊里晃 3、野村修一 4
新潟大学医歯学総合病院 1 看護部、2 診療支援部歯科衛生士部門
新潟大学大学院医歯学総合研究科 口腔生命科学専攻
3 歯科侵襲管理学分野、4 加齢・高齢者歯科学分野

10.12:00
会津中央病院歯科口腔外科における外来症例動向に関する臨床的検討
○強口敦子、宮島 久、平野千鶴、大溝裕史
会津中央病院歯科口腔外科

11.12:10
最近1年間の来院患者の臨床統計的検討および原価計算
○横林敏夫、清水 武、五島秀樹、鈴木理絵、櫻井健人、長田美香、大久保雅基
長野赤十字病院口腔外科

特別講演 13:15-14:45

座長  齊藤 力

演題:法歯・法人類学的個人識別の実際
講師:東京歯科大学法人類学研究室助教授 橋本正次 先生

抄録:
法律上の問題を取り扱う分野を総称して法科学といい、その中には法医学や法歯学、法人類学、法化学、法精神学などの専門領域がある。事件や事故、災害などが発生すると、まず問題となるのは犯人や被害者が誰であるかということであり、これは一般には身元確認、あるいは個人識別といわれる。そして法科学で、主としてこの個人識別を目的としているのが、法歯学と法人類学ということになる。ちなみに法医学は、死亡原因(死因)や死亡機序を明らかにする領域である。
 個人識別方法には、家族・関係者による面接から着衣や所持品、装着品などを利用するものなどがあるが、確実な結果を得るための科学的手段としては、指紋や歯科的特徴、身体的特徴、そしてDNAなどがあげられる。しかし、これらのどの方法を用いるかは、ご遺体の状況により異なる。極度に腐乱している、あるいは白骨化した遺体では指紋を得ることができない。たとえ指紋採取が可能であっても、それと照合する該当者の登録指紋がないのが日本の現状である。この意味においては、歯科的特徴や身体的特徴、つまり法歯学や法人類学の個人識別における役割が非常に大きいといえる。一方、DNAについては、もちろん万人不同であり個人識別に利用できることは明らかであるが、その方法や結果の判断において、さらには日本人の文化的背景を考えた場合、問題が残っていると考える。講演では、この点についても考えてみたい。
 そして、私が経験してきた様々な事件や事故、災害における個人識別事例、なかでも最近のバリ島における爆弾テロ事件やスマトラ沖大地震の津波による犠牲者の身元確認作業から、机上で考えるものとは異なる、実際面において必要な事項について紹介したいと考えている。

御略歴
1976年 東邦大学理学部生物学科卒業 
1976年 東京大学理学部人類学教室研究生 
1977年 東京歯科大学副手 法歯学講座
1978年 東京歯科大学助手 法歯学講座
1982年 東京歯科大学講師 法歯学講座
1991年 オーストラリア アデレード大学客員研究員(法人類学)
1992年 学位記受領 博士(歯学) 東京歯科大学
2003年 東京歯科大学助教授 法人類学研究室

御役歴
外務省参与
千葉犯罪被害者支援センター理事
栃木県歯科医師会警察協力会参与
警察、外務省にかかわる国内外の多数の法医学的検証、身元確認を担当