第34回新潟歯学会総会
日時 平成13年4月14日(土) 午前9時30分〜
場所 新潟大学歯学部講堂
----------------------------プログラム-----------------------------
総会議事----------------------------------------------9:30〜10:00
一般口演---------------------------------------------10:00〜12:10
座長 大島勇人, 寺田員人
1. 10:00 歯牙透明標本のレジン包埋について
○山本恒之
北海道大学大学院歯学研究科口腔健康科学講座
2. 10:10 第一大臼歯萌出遅延に関する研究
○三富智恵, 富沢美惠子,
野田 忠
新潟大学歯学部小児歯科学講座
3. 10:20 非接触型三次元表面形状計測装置による顔面計測時の誤差に関する検討
○中川公貴,
稲見佳大, グラマティーチェス・カルメン
エリーナ,
寺田員人1, 森田修一, 花田晃治
新潟大学歯学部歯科矯正学講座
新潟大学歯学部附属病院特殊歯科総合治療部1
4. 10:30 保定装置への超高分子ポリエチレン繊維(RIBBOND )の
応用
○長沼一雄, 八巻正樹,
中川麻里, 森田修一,
花田晃治
新潟大学歯学部歯科矯正学講座
座長 小林 博, 鈴木政弘
5. 10:40 口内描記装置の描記板傾斜角度がタッピング運動収束点に及ぼす影響
○ラホマン・モハメッド・マハブブル, 河野正司, 澤田宏二,荒井良明, 岡安一郎,
小林 博
新潟大学歯学部歯科補綴学第一講座
6. 10:50 頸部骨吸収がインプラントおよび周囲骨に与える力学的影響
−三次元有限要素法による解析−
○北村絵里子,
ステガロユ・ロクサーナ, 佐藤孝弘,
野村修一1,
宮川 修2
新潟大学歯学部歯科補綴学第二講座,
加齢歯科学講座1
歯科理工学講座2
7. 11:00 金属アレルギー外来における臨床統計的観察
○小林康子, 橋本明彦,
木暮城二, 野村修一1
新潟大学歯学部歯科補綴学第二講座, 加齢歯科学講座1
8. 11:10 平成12年度新潟大学新入生における顎関節症状の疫学的研究
○山田裕士,
小林龍彰, 安島久雄,
大島 賢, 高木律男
新潟大学歯学部口腔外科学第二講座
座長 新垣 晋, 小野和宏
9. 11:20 歯科での嚥下造影検査から発見された縦隔腫瘍の一例
〇道見 登
新潟こばり病院歯科口腔外科
10. 11:30 交通事故によるガラス片迷入の2例
○鈴木理絵,
横林敏夫, 清水 武,
五島秀樹, 田尻朗子,
近添真也
長野赤十字病院口腔外科
11.
11:40 伊勢崎市民病院歯科口腔外科における舌癌23症例の臨床的検討
○佐々井敬祐, 小田陽平,
新垣 晋1
伊勢崎市民病院歯科口腔外科
新潟大学歯学部口腔外科学第一講座1
12.
11:50 伊勢崎市民病院における最近3年間36名の顎骨骨折症例の臨床的検討
○小田陽平, 佐々井敬祐,
新垣 晋1
伊勢崎市民病院歯科口腔外科
新潟大学歯学部口腔外科学第一講座1
13. 12:00 当科におけるオトガイ形成術について
○武藤祐一, 笠井直栄
新潟労災病院歯科口腔外科
休憩---------------------------------------------------12:10〜13:15
特別講演-----------------------------------------------13:15〜14:45
座長 花田晃治 会頭
演題 脳卒中のリハビリテーション
講師 新潟大学医学部附属病院理学療法部 加藤久佳 先生
特別講演 脳卒中のリハビリテーション
新潟大学医学部附属病院理学療法部 加藤久佳
従来の医学が疾患そのものを対象にするのに対し、リハビリテーション(以下リハ)医学の理念は全人的復権にあり、機能障害のみならず能力障害、社会的不利、心理的問題に至るまでアプローチを行う.中でも脳卒中は患者数の多さとリハの有効性から常に最も重要な位置を占めてきた.脳卒中で起こる障害の種類は非常に多いが、殆どは片麻痺の形をとる.しかし症状の程度、性質、回復過程や治療の進み方は障害部位やその大きさによって様々であり、失語、失行、左半側空間無視などの高次脳機能障害、意欲・注意力障害など、複雑な症状を呈し得るため、それらに対応したアプローチが必要である.訓練開始時期が早いほど歩行が自立できる確率が高く、原則的に脳卒中のリハは発症後1週間以内の早期に開始されるべきである.理学療法士はベッド上での良肢位保持や関節拘縮を防止する関節可動域訓練から開始し、寝返り、起き上がりなどの基本動作訓練、歩行の訓練などを行う.作業療法士は麻痺手の訓練や食事や更衣といった日常生活動作訓練を中心に、身体的、心理的、社会的な適応性を高める訓練を行う.言語障害に対しては言語聴覚士が意思伝達能力の向上を図る.看護婦は患者の日常生活をできるだけ活発にし、拘縮や褥瘡を予防する.退院前にはリハ・スタッフが中心となり家屋の手すり設置、段差解消などの環境整備を検討し、その後の生活や、社会復帰、経済的な問題、転院などの相談が必要なら、その医療機関の医療ソーシャル・ワーカーや各市町村の福祉担当窓口に相談してもらう.このようなチーム医療の中でリハ医はリーダーとして各スタッフに指示し、まとめながら患者の医学的管理を行う.また、心理的にも障害の受容を促し、前向きに新しい人生設計を援助していく.脳卒中においてはこのような多面的な長期のアプローチが必要であるが、早期の退院を余儀なくされる大学病院において、今後どのような形で脳卒中リハが進められていくかが課題である.