本院における顎関 節症チーム診療にみられる登録患者の概要
野村修一,紋
谷光徳,三浦 香,加茂剛介,河野正司,濱本宜興*,高木
律男**,鈴木政弘***,山田浩之****
新潟大学歯学部附属病院 特殊歯科総合治
療部(部長:河野正司教授)
新潟大学歯学部 *口腔外科学第1講座(主任:中島民雄教
授)
** 口腔外科学第2講座(主任:大橋靖教授)
*** 歯科補綴学第1講座(主任:河野正司教授)
****歯科補綴学第2講座(主任:草刈 玄教授)
抄録:
新潟大学歯学部附属病院では平成5年11月から,特殊歯科
総合治療部を窓口とした顎関節症チーム診療体制が発足し
た。平成6年1月から2年6カ月間に,いわゆる顎関節症の症状
を訴えて来院し登録された患者の全体像を把握する目的で調
査した。
登録患者数は,平成6年が278名,平成7年が272名,平成8
年の半年間で153名の合計703名であった。男女比は1:3.23
と,従来の報告にある男女比の範囲内であった。患者の年齢
は9歳から82歳に分布した。年齢別分布では,10歳代は
24%,20歳代は最も多く33%であった。30歳代は12%,40歳
代以降はいずれもほぼ10%と,20歳代をピークとする1峰性
の分布を示した。この内,若年者では,15歳以下が全体の8.
4%を,16歳〜18歳が11.7%を占めた。今回の特徴として,
10歳代と20歳代が全患者数の57%と過半数を越え,とりわ
け,女性は44%を占めた。
月別患者数では,3月,4月,8月に多く,12月,1月の冬の
時期と7月に少なかった。患者の地域分布では,新潟市と
西,中蒲原郡などからなる新潟地区は67%を占めた。紹介来
院患者数は全体の24.3%と,その割合はまだ少なく,今後も
ピーアール活動が必要なことが示された。初診時診査後に精
査と治療を依頼した診療科別の患者数では,新患当番を担当
した曜日によると思われる差があった。