新潟大学歯学部小児歯科外来において処置した萌出障害について(1979−1996)


野田 忠,角田 俊彦,瑤島 弘之,RakibaSultana
新潟大学歯学部小児歯科学教室
主任:野田 忠 教授)


抄録:
咬合の発育の過程を正常に経過させることを、目的の一つにしている小児歯科臨床において、萌出障害の処置は重要である。昭和54年9月に小児歯科が開設されて以来、平成8年3月までの16年6か月の間に、415人、 493歯を対象に、延べ 691歯の萌出障害の処置を行った。 処置は1歳から23歳までにおよび、摘出、原因除去、開窓、牽引、誘導など多岐にわたっている。原因除去、開窓などの外科的処置、牽引や誘導などの装置を使った処置を継続してできるのが小児歯科の特徴である。
 また、齲蝕治療を希望して来院した患者での萌出障害の発見、さらに低年齢から来院していた患者の交換期における萌出障害の早期発見、早期治療は、齲蝕のみではなく、成長発育を含めた小児歯科の定期診査、口腔管理の重要性をあらためて認識させる。


目次へ戻る